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ラチチュード

今回は、ラチチュードの話をしましょう。

多くの方が、それは何?
って思われたんじゃないかと思います。

ラチチュードとは、一枚の写真で表現できる露出の範囲を言います。
これは、どのフィルムでも、デジカメでも、その範囲は違うのですが、存在します。

ラチチュードの広いフィルム、もしくはデジカメは、明るいところから、暗いところまで広く表現できます。

通常、明るいところに露出をあわせると暗いところがつぶれてしまったり、暗いところに露出をあわせると、明るいところが白く飛んでしまったりします。
このつぶれずに表現できる範囲が、ラチチュードです。

■ケース1
この写真は、森に露出を合わせているため、手前の渓流が白く飛んでしまっています。
ラチチュード_a0020901_1724408.jpg


■ケース2
逆に、これは渓流に露出をあわせたため、森が黒くつぶれました。
ラチチュード_a0020901_1726725.jpg


■ケース3
これまでのアナログの世界では、上記のどちらかを選択せざるをえませんでした。

もちろん、プロの世界では、グラデーションフィルターを使い、手前の渓流の明るさを暗くしてやるなどの手はありましたが、一般の人にはちょっと敷居が高いテクニックでした。

それが、デジカメを使えば、簡単に理想の写真にできるんです。
デジカメとは言っても、後処理が必要なのですが、とにかく簡単にできます。

この写真が、ケース1とケース2のよいとこ取りの写真です。
森のさわやかなグリーンが表現できつつ、渓流の流れも、白く飛ばずに、そのディテールを再現しています。
ラチチュード_a0020901_1731591.jpg


■レタッチ
上記の写真は、ケース1とケース2の写真を合成しています。
photoshopなどで、これらの2枚の写真をレイヤーで重ねます。
この場合、ケース1の写真の上に、ケース2の写真を載せています。
そして、ケース2の写真の森の部分を消しゴムで消します。
すると、ケース1の写真が下から現れ、明るい森が実現します。

■ポイント
写真を撮影する際に、三脚を使います。
同じ写真を2枚撮るためには、必須です。

もうひとつ、rawデータが出力できるカメラの場合、露出は中間値で撮影しておきます。
そして、森を基準にした写真と、渓流を基準にした写真を現像します。
そうすることで、完全に一致した2枚の写真を得ることができます。

  by photo_kanae | 2004-10-24 17:38 | 撮影テクニック

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